精索静脈瘤の日帰り手術を行っています
精索静脈瘤とは、精巣から出ている静脈で逆流が起きている病気です。これによって睾丸の温度が上がったり、老廃物が排出されなかったり、活性酸素が増加したりして、精子の状態が悪くなってしまうことがあります。当クリニックは、日帰りで精索静脈瘤の手術を行っていますので、気になる方はまずはお気軽にご相談ください。
手術の方法
手術では、精巣から腎臓付近へ伸びている静脈を塞ぎ、切断することで、逆流しないようにします。その際、2つの術式がありますが、当クリニックでは痛みが少なく合併症のリスクも抑えられる「顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術」をお勧めしています。
顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術
精巣からは、細い管の束が出ています。お腹を小さく(2cm程度)開いてこの束を引っ張り出し、顕微鏡を見ながら流れを止めるべき静脈だけを処置します。他の静脈や動脈やリンパ管を一緒に切る必要がないため、合併症のリスクを抑えられます。
メリット
- 傷口が小さい
- 痛みが少ない
- 回復が早い
- 合併症のリスクが少ない
精索静脈瘤高位結紮術
お腹を4cm程度切り開き、筋肉をこじ開けるようにしながら太い管を見つけ、切断します。この太い管は動脈やリンパ管も一緒になっているため、これらも一緒に切断してしまうことになるのが大きなデメリットです。低結紮術に比べ静脈瘤の再発や陰のう水腫の合併症が多くなります。
麻酔の工夫「全身麻酔+日帰り」
当クリニックには、選任の麻酔医がおり、いつも同じ手術チームで治療を行っています。そのため、全身麻酔での日帰り手術が可能になりました。また、手術後には痛み止めの飲み薬や座薬をお渡ししていますので、これまで痛みが大きな問題になったことはありません。特に、顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術であれば、傷口が小さく、筋肉へのダメージもないため、より痛みが少なくて済みます。
入院も可能
当クリニックは近隣にある新松戸中央総合病院と提携しているため、ご希望の方は入院していただくこともできます。その場合は、当院で手術を受けた後、お車で患者さんを新松戸中央総合病院まで搬送させていただき、そちらで泊まっていただくことになります。また、退院後の検査やケアは、当クリニックで引き続き受けていただけます(入院施設のみお借りするようなイメージです)。
また、手術を受ける前は入院する予定ではなかったという場合でも、術後の体調が優れない場合などには、入院していただくことが可能です。安全なバックアップ体制が整っているからこそ、安心して治療を受けていただけるのではないかと考えております。
手術の流れ
- 前日
- 前日の夜21時以降は、食事をしないようお願いします。
- 当日の朝
- 当日の朝9時以降は、水を飲まないようお願いします。
- ご来院
- 事前に案内した時間にご来院ください。
- 手術準備
- 当日の体調を確認させていただき、着替えて点滴を開始します。
- 手術
- 手術室に移動し、手術を実施します。全身麻酔で行いますので、痛みや恐怖を感じることはありません。
- 診察
- 手術から1時間後くらいに水分を取っていただき、体調を確認します。
- ご帰宅
- 問題なければ、そのままご帰宅いただけます。歩くことは可能ですが、車の運転は避けてください。
- 帰宅後
- 通常通りにお食事を召し上がっていただけます。お酒は控えてください。
- 仕事復帰
- 金曜日に手術を受けていただければ、週末お休みになって、月曜日からは通常通りに仕事に復帰できます。